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オダマキ【育て方のポイントと特徴】

多年草、宿根草。可憐で上品な花であるオダマキ類は多年草であるが寿命が短く、株分けの効率も悪いので、種子をまき苗を作ってから繁殖させることが多い。

オダマキ【育て方のポイントと特徴】 オダマキ【育て方のポイントと特徴】
赤や青色の花をつけるオダマキ

オダマキ(苧環)の概要

  • 分類:耐寒性多年草
  • 学名:Aquilegia
  • 別名:アキレギア
  • 英名:Columbine(コランバイン)
  • 科名:キンポウゲ科
  • 属名:オダマキ属
  • 原産地:北半球
  • 花言葉:勝利の誓い
  • 用途:庭植え、鉢植え、切花

栽培

  • 発芽適温:15℃
  • 標準発芽日数:30日
  • 播種期:5~6月
  • 定植・株分期:4~5月
  • 開花期:5~6月
  • 花色:赤・青・黄・桃・紫・白・複色
  • 草丈:30~50cm
  • 草型:縦にまっすぐ伸びる

性質

  • 日当り:日なたでも日陰でも良い
  • 耐寒性:強
  • 耐暑性:普通
  • 耐乾性:普通

オダマキの特徴

オダマキ【育て方のポイントと特徴】 オダマキ【育て方のポイントと特徴】
黄色や紫色の花をつけるオダマキ

オダマキ属の植物は北半球に約50種が分布しており、日本にもミヤマオダマキ(A.flabellata var. pumila)、ヤマオダマキ(A.buergeriana)などが自生している。高山植物であったミヤマオダマキを観賞用に栽培したものが広く出回っている。

園芸的に栽培されている主なものには、日本原産のミヤマオダマキから園芸化されたと考えられているオダマキ(A.flabellata)、ヨーロッパ原産のセイヨウオダマキ(A.vulgaris)、北アメリカ産の数種類の原種が交配されてつくられた交配種(A.×hybrida)などがある。アメリカコロラド州ではロッッキーマウンテンオダマキが州花となっている。


育て方・栽培のポイント

オダマキ類は多年草であるが寿命が短く、株分けの効率も悪いので実生(みしょう=種子をまいて作った苗のこと)で繁殖させることが多い。種まきは5~6月に行う。暑さにあまり強くないので、苗は涼しい半日陰で夏越しさせる。秋になったら日当たりのよい水はけのよい場所に、25~30cmの間隔に定植する。

屋外の花壇に植える場合、オダマキは年を追って株が大きく充実するので、植え替えが必要ない十分スペースが取れる場所に植えると管理が楽である。


名前の由来

花の形が倭文(古代の織物)を織るために紡いだ糸を巻きつけた苧環(おだまき)(苧玉=おだま)に似ていることから「オダマキ」という名がついた。平安時代の伊勢物語に、「いにしへのしづのをだまき繰りかへし昔を今になすよしもがな」という歌がある。


花の特徴

オダマキの花は内側に曲がっていて満開とならないが、うつむくように下を向いている花の形が美しいと人気がある。花色は赤・青・黄・桃・紫・白・複色などがあり多様。花弁のように見えるのは萼(がく)で、中央の5枚の花弁の端は白色である。


オダマキの西欧での考え方

オダマキ【育て方のポイントと特徴】 オダマキ【育て方のポイントと特徴】
青や紫色の花をつけるオダマキ

学名のAquilegia(アクイレギア)は中世ラテン語で「水を集める」という意味からきている。オダマキは西欧文化では宗教的な意味合いがあり、葉が3つにわかれていることから、キリスト教の三位一体の象徴とされている。また、オダマキの花の形が鳩(英名のコランバインColumbineは「鳩のような」という意味)にも似ているので、精霊をあらわすものとされていた。


種まきでの繁殖

種子について

種子はホームセンターなどで購入するか、花後にできた果実から採取してもよい。採取した種子は乾燥剤(たまに交換)を入れた缶に入れ冷蔵庫に保管し、ビニール袋での密閉は難しいのでやらないこと。


種まきの方法

オダマキは微細種子なのでバーミキュライトなどと混和して増量し、用土を入れた箱や鉢などにまく。用土には保水性と通気性が必要で、排水の悪くなる3mm以下の微粉はふるい落とすと良く、小石を容器の底に2層になるように敷き詰めておくこと。発芽用土の肥料成分は、発芽の抑制をするので少量あるいは無しにする。発芽がそろうまでは表土が乾いたらシリンジ(霧かけ)し、光が強すぎる時は遮光をする。覆土(湿度をたもつため)は細かい粒子のバーミキュライトや砂を用い、種子が隠れる程度でやめる。

種まき用土の例

鉢底石の例

発芽率を上げるポイント

発芽と水

播き床への水分供給は土を湿らせた後に種子をまき、霧吹きを使って乾燥を防ぐようにする。水分が不十分だと種子の吸水が阻害されて発芽は悪くなり、逆に水分を与えすぎると加湿となり空気量が欠乏し発芽は悪くなる。水分も空気量も両方保つように努めること。


発芽と温度

オダマキの発芽適温は15℃なので、それに近い温度で管理すること。標準発芽日数は30日。


育苗管理

苗の育て方

オダマキの育苗管理は健全な苗を育てるためで、発芽後の幼苗は十分な日光を当てて育てること。置き場所は風通しの良い場所に。水分は発芽前の土は表面を乾かさないようにする。発芽してからは少しずつ乾燥気味に管理することで、幼苗の根毛や根が数多く生えて深くまで伸びるようになり、立枯れ病などの病原性細菌も増えにくくなる。


用土管理

赤玉土:腐葉土=1:1、ピートモスがベースの市販品:腐葉土=1:1、あるいは培養土:砂=4:1に配合した複合用土などを使う。

育苗用土の例

肥料管理

発芽した幼苗には、7~10日に1度の液体肥料を水やり代わりに与える

液体肥料の例

間引き

種子量が多く幼苗が込み合ってくると徒長するので間引きを行い、間引き後は幼苗の葉と葉がふれ合う程度の密度にする。


鉢上げ

本葉が3~4枚になったらビニールポットに(9cm=3号程度)に鉢上げする。赤玉土:腐葉土or堆肥orピートモス:川砂orパーライト=5:4:1を目安に混和し、微塵土を除いた用土10リットル当たり緩効性化成肥料(8:8:8)20~30gを混ぜたもので植えつける。直射日光と雨が当たらない場所で管理し、4~5日後からよく日光を当てる。


植えつけ

最初からプランターや花壇に植え付けると根張りが良くないので、最初の花が咲くまで育苗しそれから目的の場所へ植え付ける。


花壇での育て方

スペースの確保

オダマキは年を追って株が大きく充実し、株分け作業も必要になってくる。植え替えの必要のない広い場所に植えるとその後の管理も楽である。1・2年草、球根植物などをうまく組み合わせた植栽計画をすると華やかになり、1年を通して彩りある花壇を楽しめる。


苗の植えつけ

ポット苗は植えつけ時に根鉢がくずれないよう前日に水を与えておき翌日に植えるか、当日の午前中に水を与え午後に植え付ける。ポットの土をくずさないように気をつけ、根鉢の表面が花壇の表面と同じ高さになるように植えつける。植え終わったらたっぷり水まきをする。


水まき

オダマキは過湿を嫌うので、冬は特に乾燥気味に管理することが大事。水やりは1年を通して土の表面が乾いたら与える程度にする。水を与え過ぎると根腐れを起こすので注意すること。

植えつけ時に潅水し活着させた後は、原則として水まきはしない。水まきを続けると根は地下の浅い土層でのみ育つため、晴天が続き地表が乾くと根は水不足となり地上部はしおれ現象を起こし枯死する場合がある。自然にまかせれば根は水を求めて土中に深く入り、水不足になれば毛細管現象で地下から水を吸い上げて地上部に供給し、バランスのとれた生育を続ける。

冬の乾燥は越冬中のオダマキに悪影響を及ぼすので、寒くても水やりは必要となる。水やりはホースやノズルをはずしたジョウロの先端に手のひらを当てて潅水し、水圧で穴が開かないように均一に与えるのがポイント。


肥料

花壇に植えつける場合は、堆肥や腐葉土を1m2当たり2~3kgほどをあらかじめよく混ぜ込んでおく。

元肥(もとごえ)とはオダマキを植えつける時に事前に施す肥料を指し、花壇では緩効性肥料(N-P-K=10-10-10)50g程度を全面にまいてよく耕してから植えつけるか、有機質ベースの配合肥料をまいて耕した後2~3週間たってから植えつける。

追肥とはオダマキの生長にあわせて施す肥料を指し、速効性肥料や緩効性肥料を使用する。次々に花を咲かせるオダマキでは、肥料が途切れないように定期的に施肥することが必要で、2ヶ月おきに1回、それを2、3回与えると良く、元肥の1/3量を目安に施す。観賞を目的に花を多く楽しみたいときは、即効性のある液体肥料を定期的に与える。

また毎年秋に元肥として肥料を施してもよい。


施肥のポイント

施肥全量が一定なら施肥回数を多くして1回の施肥料を少なくして与えると障害が少ない。効果が現れないときは、次回の施肥料を多くせず施肥間隔を短くするか、次回の施肥期まで液肥を与える。リン酸成分の効果は遅れるので、必要量を多く元肥で与える。窒素とカリウムは潅水や降雨で流出しやすいので、元肥以外に追肥を2、3回与える

有機質肥料や無機質肥料にかかわらず、肥料成分は土壌微生物の影響を受けるのでそれらのバランスを保つことが必要。よく熟成されたバーク堆肥などの有機質資材を用土や圃場、菜園などに投入しておくと良い。また、特定の肥料成分で土壌病害がひどくなることが知られているので施肥には注意が必要。

オダマキの生育や季節に合わせた施肥時期があるが、機械的に施肥するのではなく、植物の生育状態を見る「植物の顔見て」施肥を行うと良い。オダマキの状態から肥料成分の過多や欠乏が見分けられるよう、日々のチェックすることが望ましい。


肥効期間
  • 化成肥料:約1ヶ月
  • 液体肥料:7~10日
  • 緩効性化成肥料:3ヶ月以上
花壇用肥料の例

コンテナ・鉢での育て方

細かい管理が重要

限られた土の量でオダマキを育てるコンテナ栽培は、潅水量が多く細かい施肥管理が重要となる。園芸環境に恵まれない園芸好きやマンションやアパートなどの集合住宅に住む人にとっては最適である。


1年の作業サイクル

春は頂芽の管理、夏は施肥、秋は枯れ葉の整理、晩秋には茎や葉の始末がオダマキの1年の作業サイクルとなる。春になると必要以上に芽が出てくるので、適当な本数に摘心・整理する。株分けは秋と春に行えるが、春に新芽を挿し株を更新する方が簡単である。

肥料は一般的に3回、芽が出た時、花が咲く前、花が咲き終わった後。1年草と寄せ植えしている場合は1年草に合わせる。

耐寒性のあるオダマキは一定期間寒さにあわないと生育も開花もしないので、冬も戸外に置く必要がある。


コンテナ・鉢の大きさ

オダマキを植えるコンテナの大きさは最低15cm以上は必要で、小さすぎると水やりの手間が多くなり大変。複数の植物で寄せ植えを楽しむ場合は、幅20cm・深さ20cm以上の大きさが必要である。


コンテナ栽培の用土

オダマキにはやや重い土を培養土として用いるのが基本となる。赤土、黒土、荒木田土、赤田土は保肥力があるので、栽培期間の長いオダマキを植えるのに適している。これらをベースにパーライトやバーミキュライトなどの軽い素材をブレンドする。赤玉土:腐葉土=7:3の配合土、あるいは市販の培養土に赤玉土を2~3割加えて用いるのおすすめである。

コンテナ用土の例

植えつけ作業

つぼみが見える程度の小さい苗を育ててから植えつけた方が丈夫で長持ちする

植えつけ作業は風や日の当たらない場所で行うが、重いコンテナでは置き場所で植える。コンテナの下にはレンガや石などを置き空間を作る。鉢底には排水を良くするためゴロ石(軽石・鉢底石)を敷くが、土の排水性や通気性をよくする働きがあり根腐れの予防に効果がある。ただ排水孔がいくつも開いていたり、排水の良い土であれば必要ない。

鉢底石の例

植えつけのポイント

植えつけはポットから土がくずれないように根鉢を抜き、あらかじめ決めた場所に植える。根鉢とコンテナの間には隙間ができないよう、棒などでつついて土を入れていく。用土は鉢の上面まで入れず2~3cm下げておくと、水やり時に水や土が流出しなくなる。必要に応じて支柱を立てても良い。

植えつけたら水やりを2回に分け、1回目は鉢穴から土が少し流れるまで、2回目はコンテナ内の隅々まで水が行き渡るようにする。植えつけ後は1週間ほど直射日光や風を避けた場所で管理する。


水やりの管理

オダマキは過湿を嫌うので、冬は特に乾燥気味に管理することが大事。水やりは1年を通して土の表面が乾いたら与える程度にする。水を与え過ぎると根腐れを起こすので注意すること。

寄せ植えの場合はオダマキの性質を確認し、乾燥に強い植物と弱い植物の組み合わせは避けた方が無難である。


水やりのポイント

水やりは朝方が良く、気温が高くなる日中は避けた方が良い。水は花や葉にかからないよう株元から鉢土全体に行き渡るようにする。鉢底から水が流れ出るまでたっぷり行い、夕方には乾いている状態が理想的。

夏は朝に水やりをし30℃を越えるような日中は避ける。気温より用土の温度が高くなり、根がつかれ生育が停止する原因となる。冬は寒く凍るような日中や気温が下がる夕方には水やりをしないこと。土が凍り、根が切断されたり凍傷にかかったりして根を傷める。

乾きすぎた培養土はたっぷり水をかけても水道(みずみち)ができて全体に行き渡らなくなるので、水やり後しばらくしてから2回目の水やりをする。


水やりのトラブル

水が多く排水が悪い症状
  • 花が小さくなり腐ってくる
  • 生育不良で軟弱になる
  • 葉の一部が腐り、上の方の葉と下の方の葉が同時に落ちる
  • 葉が湾曲し黄色くなってなえる。先端が茶色くなる
  • 根が褐色になりもろく切れやすくなる

水やりが不定期で時々乾燥させる
  • 開花期間が短く花がなえやすく、散りやすい
  • 軟弱で萎え、小さいか生長しない
  • 古い下の方の葉から落ち始める
  • 葉が湾曲し黄色くなってなえる
  • 葉色が茶色になり乾燥する

水がしみていかない

土の表面が固まってしまうことが原因。表面をスコップやフォークで刺し、水が通りやすいようにする。植え込んであるコンテナを水に浸す。


水道(みずみち)ができてしまう

培養土が縮み、土とコンテナの間に空間ができることが原因。植え込んであるコンテナを水に浸し培養土を膨らます。


置き場所

戸外の日当たりの良い場所に置き、夏は半日陰になるような涼しい場所がよい。


肥料の管理

コンテナ栽培は土の量が限られているので施肥料がオダマキの生育に反映しやすい。多く与えすぎると根腐れを起こし、少ないと肥料切れを起こしてしまう。生育の早いオダマキには肥料を多めに施すのがポイント。

元肥として緩効性肥料や配合肥料を土に混ぜ、用土1リットル当たり3gを目安とする。追肥は2、3回与えると良く2ヶ月おきに1回与え、元肥の1/3量を目安に施す。観賞を目的に花を多く楽しみたいときは、即効性のある液体肥料を定期的に与える。

コンテナ用肥料の例

施肥のポイント

施肥全量が一定なら施肥回数を多くして1回の施肥料を少なくして与えると障害が少ない。効果が現れないときは、次回の施肥料を多くせず施肥間隔を短くするか、次回の施肥期まで液肥を与える。リン酸成分の効果は遅れるので、必要量を多く元肥で与える。窒素とカリウムは潅水や降雨で流出しやすいので、元肥以外に追肥で2、3回与える

夏は肥料が溶けやすいので肥料切れに注意が必要。粒状や固形肥料は温度が高く潅水量が多いと水に溶けやすくなり、肥効期間は表示より短くなる。

オダマキの生育や季節に合わせた施肥時期があるが、機械的に施肥するのではなく、植物の生育状態を見る「植物の顔見て」施肥を行うと良い。オダマキの状態から肥料成分の過多や欠乏が見分けられるよう、日々のチェックすることが望ましい。


植え替え作業

オダマキは鉢植えの場合は植え替えが必要(最低でも3年に1度)で、庭植えの場合は特に必要なし。オダマキの生育環境にもよるが、ルートバンド(根の発達が進み過ぎて鉢底まで帯状に根の回っている「根づまり」状態)ができ排水孔から根が伸びてきて土の乾きが早くなり、生育が悪くなったときが植え替えの目安となる。


植え替えのポイント

植え替え作業はほぼ1年中できるが、オダマキが活動を始める春に行うと失敗が少ない。鉢から取り出した株は、古い土を落とし黒くなった根は取り除く。鉢の大きさを変えないときは、根の先を刈り込むが25%以上カットしないのがポイント。

培養土は元の鉢土と同じ組成の土を用い、水やりは新しい土に根が伸びるまでは株元中心に行う。暑い季節の鉢上げ後は1週間程度は日陰に置き、活着を待って目的の場所へ移動させる。


鉢替え

鉢替えは現在使っている鉢よりもひとまわり大きい鉢に植え替えること。根鉢を崩さないよう鉢から取り出し、根鉢の底に渦巻き状になっている根を取り除き、根鉢の周囲の土を1~3割、7~8号鉢以上ならもっと大きく土を落とす。新しい土に植え替えたらたっぷり水やりをする。


寄せ植えの植え替え

オダマキの寄せ植えの場合は1年草だけを整理する。根は丁寧に抜きやや大きめに土を取り、新しい培養土を入れ次の苗を植える。


冬も戸外に

耐寒性のあるオダマキは一定期間寒さにあわないと生育も開花もしないので、冬も戸外に置く必要がある


オダマキの株分け

株分けはオダマキの繁殖方法(増殖方法)として、生育促進(大株化による生育の衰えを回復させる)や株の更新などの目的で行われる。花芽分化期に株分けすると花芽分化が停止し、当年あるいは翌年の開花が見込めない場合があるので注意。

オダマキの株分けはおすすめできない!

オダマキ類は多年草であるが寿命が短く、株分けの効率も悪いので実生(みしょう=種子をまいて作った苗のこと)で繁殖させることが多い


株分けの方法

根を傷つけないよう株を鉢や地面から抜き取り、根についた古い土をていねいに落とす。両手で株元をつかみ、根を切らないように注意しながら1芽あるいは2~3芽をひとまとめにして株を分ける。新芽を発生させるため先端の長い根を切り詰めると、株の生育が盛んになる。株の大きさに適した鉢の中心に株を据え、まわりに用土を入れていく。鉢底から澄んだ水が流れ出るまでたっぷり水やりし、風の当たらない半日陰に2~3日置く。


株分けの時期

  • 春~初夏に開花:春の開花後 or 分化後の秋

株分けの利点

  • 手軽に行える
  • 確実に繁殖できる
  • 開花までの期間が短い

オダマキの管理

花がら摘みの注意点

花がら摘みとは咲き終えた花を摘み取ることで、オダマキは花が咲き終わる6月頃に花がら摘みを日課のように行う。注意点は、茎を強く引っぱらないこと、摘花の時は深く切り戻さないこと。

花がら摘みの目的は、花後に成熟する種子が育つ子房の除去で、残すと結実に栄養分が使われ次の開花が減少してしまう。オダマキのような多年草は連続開花をさせるためにも花がら摘みが必要となる。また、花弁からの病気感染の防止もあり、咲き落ちた花弁は灰色かび病(ボトリチス病)の巣となることがある。


摘心(ピンチ)

苗の活着後に先端部の芽の部分を指先、爪、はさみなどで摘み取り、わき芽(側枝)を発生させ開花させること。


病害虫と農薬

オダマキの病害虫

夏はアブラムシやダニ類に注意し、早めに薬剤を散布して駆除すること。うどんこ病やヨウトウムシも発生する。


害虫・病気の特徴
  • アブラムシ:若い茎や葉に群がる。すす病などのウイルス病も伝播。
  • ハダニ:葉裏に生息。葉が白くなり生育が衰える。
  • ヨウトウムシ:葉にかすり状の白斑が見られ、葉裏に小さな緑色のイモムシが群生。
  • うどん粉病:新芽・若芽・茎・花が白い粉をまぶしたようになる。高温多湿を好む。

殺虫殺菌剤の例

薬剤散布のポイント

防除したい病害虫の種類を明確にして、効果のある農薬を選ぶことが大切。防除時期も重要で、茎葉に寄生する害虫の防除は害虫の寄生を確認してから薬剤を散布しても遅くない。

幼苗や芽、根などを食害する害虫の被害は膨大なため、播種や植えつけ時期に効果のある薬剤を土壌に混ぜておく。病害は被害が進行して病斑が現れ拡大してから薬剤散布しても手遅れになることが多々あるので、発病前あるいは発病初期から数回散布して感染や拡大を防ぐこと。


希釈倍率を守る

乳剤や水和剤などは所定の希釈濃度で十分な効果がある。濃くしてしまうとオダマキに薬害を生じる可能性があるので避ける。特に水和剤などを希釈する時、効果を高めるため展着剤を加えることが良い。粒剤などは1カ所に集中させず、できるだけ均一に土壌表面に散布あるいは土壌に混ぜること。


葉の裏面にも散布

害虫は葉表面より裏面に寄生する種類が多い。病害虫は糸状菌のように無傷の表面からも浸入するが、多くは葉裏にある気孔、水孔などの自然の開口部、害虫や作業時で生じた傷口から浸入するため、かけむらのないように葉の裏側まで丁寧に散布する。散布量は葉先から薬剤が滴り落ちれば十分である。


殺虫剤・殺菌剤の選び方

防除目的を把握

害虫や病気の種類をしっかり把握すること。害虫は姿が見えなくても被害状況で判断できるが、病気は他の要因も関係するため栽培環境や栽培管理の問題点も探す。幅広く効果のある薬剤と特定の病害虫に効果のある薬剤があり、ラベルの適用病害虫の表に記載されている。


散布面積の把握

散布面積が広い場合は薬剤を薄めて使う手間がかかるが、少量で大量の散布液が作れる乳剤などの薬剤を選ぶ。散布面積が狭い場合は割高であるが、エアゾル剤やハンドスプレー剤が使いやすい。粒剤はいずれの場合も使用できる。1年以内に使い切れる量の農薬を探すことがポイント。


農薬の使用上注意点

散布前
  • 薬品のラベルをしっかり読むこと!
  • 体調不良の時は散布を控える
  • ラベル記載の服装着用
  • 大雨、強風、高温(30℃以上)の散布は避ける

散布中
  • 朝夕の涼しい時間帯に散布
  • 風向きに注意
  • 農薬を吸い込んだり浴びたりしないこと
  • 幼児、隣家、通行人、洗濯物、ペットに注意
  • 飲食、喫煙は控える

散布後
  • 使用器具は水洗いして保存
  • 顔や皮膚などの露出部を石けんで洗う
  • 散布時の衣服は着替える

薬剤の保存
  • 薬剤箱を用意して保管
  • 密閉し直射日光の当たらない場所で保管
  • 子供の手のどとかない場所に保管
  • 他の容器に移し替えない

不要になった薬剤の処分

土中の微生物に分解させるのがよく、深さ20~30cmの穴を堀り中身を捨て、空容器は出し切ってから処分する。下水や河川に流してはいけない。


農薬に頼らない病害虫防除

病害虫防除の基本は農薬に頼らず、日々の管理から効率的に防除を行うことが大切である。

病害虫を発生させない対策

  • 健全な苗や種子の選択
  • バランスのとれた肥料管理
  • 栽培環境に配慮
  • 発生した害虫の捕殺
  • 咲き終わった花の処分
  • 落葉した葉の処分
  • 雑草の除草

更新:2016年08月22日|公開:2012年10月01日



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