芝には様々な種類があり、環境に対する適応性や性質にはそれぞれ違いがあります。美しい芝庭をつくるためには、これらの性質をよく理解することが大切です。
いまや品種の豊富な芝ですが、比較的温暖な地域に適する暖地型と冷涼な地域に適する寒地型とに大きく分けることができます。
暖地型芝には、日本で古くから使われてきた日本芝(ノシバ、コウライシバ、ビロードシバ)や欧米で牧草として改良された西欧芝の一種バミューダグラス類があります。寒地型芝には西欧芝のベントグラス類、ブルーグラス類、フェスク類、ライグラス類があります。
| 日本芝 | 西欧芝 | |
| 暖地型芝(冬枯葉色) |
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| 寒地型芝(冬緑色) |
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■日本芝と西欧芝の比較
| 日本芝 | 西欧芝 | |
| 成立 | 草原、牧草地の草地に優先する | 多くは牧草からの転用による |
| 生育の仕方 | 匍匐茎(ライナー)による | おもに株の増大による |
| 増やし方 | 芝草を植えつける | おもに種子をまく |
| 葉色 | 冬季は褐色を帯びる | 夏冬とも青緑色を帯びる |
| 寿命 | 多年生 | 1~2年および多年草 |
| 病気の抵抗力 | 病気には強く害は少ない | 病気になりやすい |
| 管理 | 低コストで手間がかからない | 日本芝よりコストと手間がかかる |
■日本芝の長所と短所
| 長所 | 短所 |
| ○夏の暑さに強い | ●葉が硬い |
| ○踏圧に強い | ●種で増えない |
| ○乾燥に強い | ●冬には枯葉色になる |
| ○肥料が少なくてよい |
■西欧芝の長所と短所
| 長所 | 短所 |
| ○葉がやわらかい | ●高温多湿の夏に弱い |
| ○一年中美しい緑 | ●乾燥に弱い |
| ○種で簡単に増やせる | ●肥料をたくさん使う |
| ○半日陰でも育つ | ●芝刈りの回数が多い |
ノシバは葉の幅が4mm以上と意外に広く、葉も硬いので芝生の密生度が粗くなります。生長は日本芝の中で一番遅く、日陰には弱いのですが、最も環境に対する適応力に優れ、踏み圧にも強いので公園の広場やゴルフ場のラフ、方面などに使われています。かつては自生するものを利用していましたが、現在は栽培繁殖した苗が使われています。
コウライシバは夏に高温となる関東以西で、最も一般的に家庭で使われる芝です。葉幅が1~4mmで適度に密生し、葉が硬いので、踏まれることに強いという特徴があります。乾燥にもある程度耐えられ、肥料も少なくてすみます。
夏の旺盛な生育期でも、春の西欧芝ほど草丈は伸びないので、芝刈りの回数も少なくてすみます。オーバーシーディングのベースに利用するのがよいでしょう。
しかし、種で増やすことができないので、マット状になった切り芝を張らなければならず、西欧芝の種を購入するよりも経済的には費用がかかります。
この種類に属するヒメコウライシバはより葉が細く生長も早いので、刈り込みや施肥などの管理に手間がかかるものの、密生させるととても美しい芝生になるので家庭向きといえるでしょう。
ティフトンシバは踏み圧に強く、繁殖力が旺盛で、葉は繊細で美しい色合いをしています。繁殖は種ではなく、茎を切断しそれをまきます。
日本芝よりも早く成長しますので、春に茎をまくと夏にはきれいな芝生が出来上がります。最近はゴルフ場だけでなく、一般家庭でも子供が遊ぶ庭に使われることが多くなりました。
しかし、日陰にはとても弱く、また生長が早いため芝刈りの回数が多くなるという難点があります。
ベントグラスは、かなり短い刈り込みに耐えるので、4mmほどに刈るゴルフ場のパッティンググリーンに適しています。耐暑性、特に耐寒性に優れていますが、病害虫に弱く、管理にとても手間がかかるので、一般の家庭には適していません。
ブルーグラス類はケンタッキーブルーグラスが有名で、世界で最も広く栽培され利用されています。踏み圧には強いですが、低刈りにはむかず、寒さに特に強く、半日日陰でも育ちます。
しかし、さび病に弱いので、さび病が発生しやすくなる短い刈り込みは避けたほうが無難です。また、種子の発芽と生長が遅いので、生長の早いレッドフェイクと混ぜてまくとよいでしょう。
フェイク類は耐暑性に優れませんが、乾燥と日陰に強くゴルフコースなどに使われます。種類はレッドフェイクとチューイングフェイクがあります。法面で土壌浸食防止用に使われることが多いです。
ライグラス類は牧草として重要な種類で、生長が早く、寿命が短いので、夏芝の冬季緑化のためのオーバーシーディングに使われます。
種類はペレニアル種とイタリアン種があり、冬季でも鮮緑色が楽しめます。
【作成日:2008年8月14日】